大正9年12月発行。著者及び発行人は武庫郡本山村の松田壮志郎。冒頭に著・松田雪城と記載されていますので、本名が松田壮志郎と考えられます。松田雪城には、「黒板画法 練習図録」という著書があるため、書家であったと思われます。タテ18.5cm×ヨコ12.5cm。62ページ。


序文では、このように宝塚が紹介されています。
「六甲山東面の麓に淙々たる清流あり、武庫川と云う北川を挟みて清麗なる一廓あり、寳塚と云ふ、其南岸は兵庫県武庫郡良元村の内伊孑志に属し、旧温泉の所在地とし、其北岸は同県川邊郡小濱村の内川面村に属し、新温泉の所在地とす、先づ其南岸なる旧温泉に一浴して、同温泉の由来、付近の名勝を説き出さんかな。
          (省  略)
 当地の来客は、霊験ある温泉入浴の治病を目的とするものと、当地は山を負ひ川を控へたる風景絶佳なる仙境なるを以って、保養の為めにするものとあり、各れも阪急電車と阪鶴鉄道に據るを常とすれど、近来当地と西宮間に自動車の便あり、之に據るもの又少なからず、近々阪急電鉄西寳線の開通するに至らば神戸方面の来客殺到するに至るなるべし。」

       (表紙)          (序文)

宝塚沿線名勝誌表紙宝塚沿線名勝誌序文


この寳塚沿線名勝誌には、旧温泉の当時の旅館が多く紹介されています。一部ですが、あまり他の書誌に案内されていない旅館を紹介させていただきます。

宝塚沿線名勝誌旅館列挙
当時の旅館が案内されています。
電話番号の2番は壽楼、分銅屋は3番、泉山は4番。









              (梅源)                             (松楽館)
宝塚沿線名勝誌梅源宝塚沿線名勝誌松楽館

       (福亭)               (玉菱屋)
宝塚沿線名勝誌福亭宝塚沿線名勝誌玉菱屋旅館



掲載されている広告をご紹介します。

宝塚沿線名勝誌宝塚鉱泉広告
当時有名なタカラサイダーの寳塚鉱泉の広告です。













宝塚沿線名勝誌 大黒屋十三やき餅

十三橋南詰にあった十三焼餅の大黒屋の広告です。十三やき餅の由来が紹介されています。