ウィルキンソン・タンサン鉱泉の創業者John Clifford Wilkinsonの孫でウィルキンソン・タンサン鉱泉㈱の経営に携わったHerbert.C.W.Price(ハーバート・C・W・プライス)は1985年度の全国長者番付の2位になりました。ウィルキンソン・タンサンの歴史、ブランド力及び長年の蓄積が最終的にこの所得番付につながったと思われます。

1985年度長者番付(所得税額)

 1位 李 基寿(東洋金属社長)       12億6,653万円
 2位 ハーバート・C・W・プライス(クリフォード・ウヰルキンソンタンサン鉱泉元社長)  11億3,132万円(前年69位)
 3位 柳下達之(柳下地所社長)       9億1591万円 
 4位 松下幸之助(松下電器産業相談役) 8億5,709万円(前年1位)
 5位 阿波 慶                               8億4,000万円
 6位 佐藤勝康(勝商事社長)         7億9,213万円
 7位 上原昭二(大正製薬会長)       7億6,765万円(前年4位)
 8位 赤川次郎(作家)                      7億5,709万円(前年8位)
 9位 江里口収(不動産貸付)            7億4,049万円
10位 本田弁次郎(本田技研工業名誉顧問・宗一郎の弟)   7億3,160万円

  この数字は所得税額ですが、プライスの所得は約33億円あったと考えられます。この時期は大口の土地を手放す地主に対して優遇措置がとられ、税率が低かったそうです。
  プライスは前年も長者番付で69位に入っています。1983年にウィルキンソンタンサン鉱泉㈱は、アサヒビール㈱にウィルキンソンの商標権を売却しており、それがプライスを長者番付に押し上げたと思われます。

   ハーバート・C・W・プライスは余生をスイスで送るため、東京田園調布や宝塚の邸宅、敷地を売却したと思われます。ハーバート・C・W・プライスは1986年2月に死亡しており、スイスに移住して1年~2年で亡くなったことになります。

参考文献 「日本の長者番付」菊池浩之著(2015年平凡社発行)他