宝塚ホテル以外に、阪神間の西宮、芦屋等には、一流の料理、サービスを提供し、作家、経営者等知名人が多く利用したホテルが存在した。甲子園ホテル、芦屋の国際ホテル、夙川のホテルパインクレスト、神戸市灘区のホテル六甲ハウスの4ホテルをご紹介します。

  (甲子園ホテル)
甲子園ホテル パンフレット阪神電鉄は、武庫川畔の上甲子園に甲子園ホテルを建設しました。帝国ホテル支配人を退いた林愛作が理想のリゾートホテルを創るべく、帝国ホテルを設計したライトの愛弟子の遠藤新に設計を依頼し、昭和5年4月15日開業しました(室数60、収容人員152)。かつて、東の帝国ホテル、西の甲子園ホテルと謳われるなど、一流のホテルであった。
   戦後は、昭和20年10月連合国進駐軍に接収され、その後大蔵省の管理下におかれたが、昭和40年武庫川学院に払い下げられた。現在は、武庫川女子大学甲子園会館として、キャンパスとなっています。



甲子園ホテル 絵葉書甲子園ホテル 絵葉書 林愛作
甲子園ホテル全景の絵葉書。
(支配人の林愛作の暑中見舞)




甲子園ホテル 絵葉書 食堂
ダイニングルーム。




甲子園ホテル 案内図
昭和5年に発行された阪神電鉄の甲子園住宅経営地案内に甲子園ホテルが表示されています。





(芦屋国際ホテル)
芦屋国際ホテル パンフレット 伊丹にあった掘抜帽子製造所の社長で、六麓荘在住の掘抜義太郎が高級住宅地芦屋市六麓荘に建てたホテルで、昭和14年10月6日開業しました(室数13、収容人員18)。敗戦後は連合国進駐軍に接収され、その後、芦屋女子短期大学の校舎として利用されました。パンフレットには、「秀峰六甲山麓、名高い健康住宅地、天下の芦屋の頂角、六麓荘の山稜に、紺碧漂う茅の海を一眸に収めて、清澄の空気、高雅の環境、絶佳の眺望を誇る当国際ホテルは、省線芦屋駅よりバスにて15分間の意外なる近距離であります」と記載されています。


芦屋コクサイホテルパンフ裏(パンフレット裏面)

 宿泊料  特等   金20円
        1等    金17円
 朝餐    金  1.5円
 夕餐    金   2.5円       等々記載


     
       (寝室)                     (庭園)                 (食堂)

芦屋国際ホテル 絵葉書 寝室芦屋国際ホテル 絵葉書 庭園芦屋国際ホテル 絵葉書 食堂






(ホテルパインクレスト)

香櫨園、夙川を高級住宅地として開発し分譲した大神中央土地が、西宮市殿山町に昭和6年7月26日にホテルパインクレストを開業した。戦後連合国進駐軍に接収された後、太陽神戸銀行の寮として利用された。

パインクレスト 絵葉書ホテルパインクレスト全景。
阪急電鉄夙川停留所東北3丁と記載。



パインクレスト マッチラベル
マッチラベル






(ホテル六甲ハウス)
ホテル六甲ハウス神戸市灘区篠原北町1丁目8番地の現六甲学院生徒研修所の場所にあったリゾート型ホテル「ホテル六甲ハウス」。
昭和13年6月に開業しましたが、営業期間は短く、戦後連合国進駐軍に接収された後、カトリック系の病院を経て学校法人六甲学院の所有となり「六甲会館」の名前でキリスト教の布教活動や学生向けの宿泊所として利用されていましたが、昭和52年に解体されました。
パンフレットには、六甲駅下車北3丁で、六甲山頂に約10分、三宮へ約10分、湊川神社へ約15分と記載されています。


ホテル六甲ハウス2木造3階建で洋風ハーフティンバー、コッテイジ式の本館と別棟2棟から成ります。

39室。内6室が和室。



ホテル六甲ハウス 現石積み
六甲学院生徒研修所の石垣の東南部に「ホテル六甲ハウス」と刻まれた石が残されています。