宝塚ホテルが本年6月21日に移転開業しました。新宝塚ホテルの敷地は、大正時代は別荘地であった。小林一三により、1911(明治44)年に開業した新温泉は、戦後1960(昭和35)年に宝塚ファミリーランドとなり、買収・拡張した別荘地部分にはヘルスセンターが設けられた。新宝塚ホテル建設前は駐車場として利用されていました。
 別荘の所有者は、タイヤ、ゴム製品製造の角一護謨製造所(現・クラレプラスチックス株式会社)の創業者阿部金次郎であった。大正12年の宝塚電話帳に「111番 阿部金次郎 小濱村川面武庫川通 別荘」と記載されています。

1.1921(大正10)年頃の図面
新温泉と隣接した阿部金次郎の別荘は、武庫川沿いの宝来橋に近い一等地にあり、新温泉に匹敵する敷地を有する豪邸であった。
新温泉グラウンド建設図面(ブログ用)














2.大正時代中期の絵葉書
武庫川沿いに新温泉、阿部邸が並ぶ。新温泉は、本館、納涼台の建物が見える。阿部邸は鬱蒼としており、何処に家屋があるか不明。大正13年開場の大劇場はまだ写っていない。
摂津宝塚温泉場全景 (大正末期)ブログ用 
















3.大劇場開場後の新温泉案内図
大劇場が記載されており、大正13年以降の案内図。阿部邸部分は木々が描かれている。
新温泉御案内地図1















4.1964(昭和39)年の宝塚ファミリーランド案内図
武庫川沿いの展望台の隣に昭和35年3月に開業したヘルスセンターが記載されている。
ファミリーランド案内図










4.宝塚ヘルスセンターパンフレット
大浴場、噴水大浴場、1000人収容の200畳敷大広間、大食堂を擁した。開業時の入場料は大人120円、小人60円、動・植物園共通入場料大人150円、小人75円であった。
ヘルスセンターパンフ1












ヘルスセンターパンフ2